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佐々岡真司投手について
佐々岡 真司(ささおか しんじ)
1967年8月26日
島根県出身の元プロ野球選手
投手
広島カープ
佐々岡投手は、小学校3年で野球を始め、中学校では内野手でした！
高校2年時に投手に転向して以来、県内屈指の投手として注目を集めましたが、夏の甲子園・春のセンバツには共に縁がありませんでした。
高校卒業後は、NTT中国野球部に入部し、ソウルオリンピック代表にこそ選ばれなかったものの、アマチュア時代から既に、そのスライダーの切れ味はプロでも通用すると言われていました！
そして、1989年の都市対抗には三菱重工広島の補強選手として出場し、初戦のNTT東京戦で与田剛と息詰まるような投手戦を繰り広げました。
これもきっかけとなって、同年にドラフト1位で佐々岡投手の希望球団だった広島東洋カープに入団！
プロ1年目になんと初登板初先発を初勝利で飾り、その後もスライダーを武器に
・二桁勝利
・二桁セーブ
を挙げ、当時の新記録となる
「17試合連続セーブポイント」
を記録するなど、投手陣の主軸として活躍すると共に、中日ドラゴンズ戦では郭源治投手からサヨナラ本塁打を放ってもいます！
しかし、前述の都市対抗でも投げ合った、史上初の新人で最優秀救援投手に輝いた与田剛に阻まれ、新人王の獲得はなりませんでした。
佐々岡投手にはセ・リーグ会長特別賞が贈られています！
翌年は先発に専念し、シーズン通して17勝・防御率2.44の堂々の成績を挙げ、最多勝利と最優秀防御率の二冠に輝き、広島カープのリーグ優勝に大きく貢献し、シーズンMVP、沢村賞、ベストナイン（最優秀投手）も獲得！
さらにこの年は、4試合にかけて30イニング連続無失点の球団新記録を達成（2009年に広島カープ後輩の大竹寛に更新される）。
3年目の1992年は12勝を挙げ、プロ入り以来3年連続2桁勝利を記録。
翌1993年は少し調子を落としたものの、1994年じはチーム事情によりリリーフに転向！
抑えの大野豊投手と共に左右のダブルストッパーとして、広島の投手陣を支えました。
プロ入り6年目で初の開幕投手を務め、勝利投手となりましたが、抑えの大野投手が不調に陥り、先発に転向したため、再度リリーフに転向。
1996年はプロ入り後初めてシーズンを通して抑えに定着し、Max152km/hのストレートと縦に大きく割れる独特のカーブを武器に活躍し、自己最多の23セーブを記録！
前年は先発、同年はリリーフとして2年連続で開幕戦の勝利投手となったり、5日連続セーブの新記録を達成。
日米野球では第1戦でバリー・ボンズ、アンドレス・ガララーガを、第3戦でイバン・ロドリゲス、ブレイディ・アンダーソン、スティーブ・フィンリーを三振に仕留める活躍！
1999年には、新たな球種・シュートを習得して先発として活躍し、1991年の17勝に次ぐ15勝を挙げ、リーグトップの
・13完投
・5完封
を挙げ、中日ドラゴンズ戦でノーヒットノーランを達成！！
2000年は2度目の開幕投手を務め、前年に続いて先発として2桁勝利を記録。
2003年、前年に続いて先発としてスタートしましたが、チーム事情によりシーズン途中から抑えに再転向。
この年、プロ野球史上6人目となる
「100勝100S」
を達成！！
2004年は中継ぎに転向しましたが、またもやチーム事情により、先発に再転向。
後半戦8先発で48回1/3を投げ、防御率1.48とさすがの安定感を見せました。
2006年は前年の野村謙二郎選手の引退によって、チーム最年長選手となり、先発投手に転向。
最終的にはチームで唯一シーズン通じてローテーションを守って投げきり、規定投球回数に到達し、
「先発100勝目」
を挙げ、先発100勝かつ100セーブという記録は、江夏豊投手以来史上2人目で、39歳での規定回数到達は、大野豊投手に次ぐ球団史上2位の高齢記録でした！
2007年に現役引退。
10月6日の対横浜最終戦は、佐々岡の引退試合として行われましたが、エピソードがあります。
10-0と広島が大量リードして迎えた9回表、二死無走者から登板しましたが、本塁打王争いをしていた村田修一選手に高めの球を本塁打されてしまいます。
村田選手は涙を流しながら一周し、
「人生で一番辛い本塁打。こんな辛い気持ちになるのは今日が初めて」
と語っていました。
佐々岡投手は次の鈴木尚典選手を空振り三振に打ち取って、本拠地の最終戦を締めくくりました。
試合終了後のセレモニーで
「夢だったカープのユニフォームを今日まで着れて、私は幸せな男。感謝の気持ちでいっぱいです」
と挨拶し、場内を一周。
この時、ひとり三塁側ダッグアウト前に残っていた村田選手が
「申し訳ありませんでした」
と頭を下げましたが、佐々岡投手は
「真剣勝負の結果。打たれて吹っ切れたよ。気持ち良かった」
と笑顔で応えていました。
村田選手は、この佐々岡投手からの本塁打が決め手となり、本塁打王を獲得しています！
村田選手はシーズン後
「引退登板の時には、できれば打順が回って欲しくなかった。打った後は佐々岡さんのためにも、カープファンのためにも、絶対にタイトルを獲らなきゃいけないと思った」
と振り返っています。
佐々岡投手は引退後、野球評論家として活動され、中国放送・TBSテレビ・TBSニュースバード・TBSラジオの解説者、スポーツニッポンの評論家などを務めてこられました。
佐々岡投手は、1年目に初登板初勝利を挙げましたが、これはドラフト制以後に限れば球団初、ドラフト導入以前を含めても38年ぶり3人目の快挙で、現在でも佐々岡投手を含めて8人しか記録していません。
選手時代の後半は、新人時代のスライダーの切れが影を潜めましたが、その代わりに縦に鋭く落ちるカーブ、シュートなど様々な球種を習得・駆使していました。
特に縦のカーブは、オールスターや日米野球の際に様々な投手に教えを乞われるなど、代表的な決め球として内外に知られていましたね！
また、通算200試合以上登板している投手の中で、
・先発
・中継ぎ
・抑え
の割合がそれぞれ25%を超えている史上唯一の投手で、
「先発に専念していたら200勝を達成していたかもしれない」
という声もありましたが、佐々岡投手曰く
「大野さんの姿勢を見習った」
「チームの勝利のためならどんな役割でも引き受ける」
と語っていました。
佐々岡投手は、非常に温厚な人柄で知られ、チームメイトだった新井貴浩選手は
「本当に優しい仏様のような人」
と評していて、前田健太投手や、大竹寛投手からもこのような事を言われています！
→ 佐々岡真司の評判
評価
先発◎
中継ぎ○
抑え◎
スタミナ○
コントロール◎
変化球◎
速球○
